私は、動物園が好きです。
趣味は1人で北海道内の動物園、水族館、観光牧場、動物公園、などを巡ること。2019年には40ヶ所以上の北海道内の動物施設に行きました。結構たくさんあるのです。何度も季節ごとに行く場所もあるので、延べ回数はもっと多いです。平均するとだいたい週一回はどこかに行っている計算になります。残念ながら2020年はこういう状況の中なので、それほど多くの施設には行けませんでしたが、スケジュールと予防対策をしっかり考えた上で、有名な動物園や水族館には行けました。2021年にはどれくらい行けるのかな。無理のない範囲でまた様々な動物施設に行けたら嬉しいです。
……という話をすると、「1人で寂しくないのか?」などと定型分のように聞かれます。なぜなのか。例えば1人で美術館を巡るのであれば、良い趣味だと感心されるでしょう。1人で映画館に行くのも1人でラーメン屋に行くのも趣味の話が弾むでしょう。しかし、1人で動物園へ行くとなぜ「寂しい」という話になるのか。全く意味が分からない。何度でも言いたい。なぜなのか。まぁでもそれは今回のテーマではないのでまた別の話。
話が逸れたので、戻します。
私は、動物園が好きです。「動物園」が好きなのです。「動物」ではなくて「動物園」と言っているのが重要なポイントです。もちろん動物は好きです。そんなのはわざわざ言うまでもなく動物が好きなのは当たり前で、動物が好きだから動物園に通っています。その上で自分の嗜好を分析して細分化するならば、「動物」個別ではなくて「動物園」全体が好きなのです。
(※なお、私は動物園も水族館も観光牧場なども全て好きですが、それを毎回言うと話が長くなってしまうので、ここでは様々な動物関係の施設を全て含めてまとめて省略して「動物園」と言わせていただきます。予めご了承ください)
「動物好き」と「動物園好き」は微妙に違います。動物園に興味のない人からすると同じように思うかもしれませんが、本人としては大きく違います。しかし世の中のほとんどの人は、動物園に行く人は全て「動物好き」だと思っています。
動物園を紹介する雑誌やホームページを見ますし、テレビ番組で動物園の特集がある時も見ます。しかしほとんどの場合、どんな珍しい動物がいるのか、どんな面白い動きをする動物がいるのか、そのような話題に終始している場合が非常に多いです。それは「動物好き」に向けた話題であり、動物の紹介をしているだけで動物園の紹介はしていない。私が知りたいのはそういうことではないのです。
私は動物園で写真をよく撮りますので、自分で撮影した写真をお見せします。以下、掲載している写真は全て私が自分で撮影した写真です。
旭山動物園のユキヒョウを例にすると、「動物好き」の写真はこんな感じ。
それに対して「動物園好き」の写真はこんな感じ。
円山動物園のゾウだと、「動物好き」の写真はこんな感じ。
それに対して「動物園好き」の写真はこんな感じ。
おたる水族館のトドだと、「動物好き」の写真はこんな感じ。
それに対して「動物園好き」の写真はこんな感じ。
ものすごく単純に言うと、主に動物を見て楽しむか、主に動物がいる風景を見て楽しむか、の違いです。
どんな動物がいるのかはもちろん重要なことですが、決してそれが最重要なことではなく、その動物園がどういう場所にあるのか、動物がいる施設はどんな構造になっているのか、園内はどういう配置になっているのか、そういう動物園自体の特徴に興味があり面白さを感じます。
ホッキョクグマの4枚の写真をお見せします。
みんな違うホッキョクグマの写真です。ホッキョクグマって可愛いんです。どのホッキョクグマが自分の好みのタイプか?なんて話にもなるでしょう。ホッキョクグマはとても個性的なので人それぞれの推しホッキョクグマが見つかることもあるでしょう。好きなホッキョクグマを見つけて会いに行くというのは、動物園へ行く目的として大いに有りだと思います。
次に、別の4枚の写真もお見せします。
これらは順番に旭山動物園、円山動物園、おびひろ動物園、釧路市動物園のホッキョクグマの写真です。実は先程の4枚も同じ順番で4ヶ所にいるホッキョクグマの写真です。
それぞれの動物園ごとに施設の特徴があります。どこの動物園でもホッキョクグマが陸で歩いている姿、水の中で泳いでいる姿、などは共通して見ることができます。しかし施設の構造が違いますし、お客さんの観覧場所が違って見られる角度が違います。更にホッキョクグマの性格も違うので、同じ種の動物なのに全く違う光景になります。
有名だから良いというわけはなく、大きいから良いというわけでもありません。それぞれの動物園ごとの良さがあります。こういうホッキョクグマの姿を見たいからこの動物園に行く、という選び方をするのが「動物園好き」です。
SNSなど見る限りでは、私と同様の「動物園好き」の人は決して少なくないと思います。しかし、世間一般のイメージとして「動物園に通う人」=「動物を見ている人」という固定概念で決めつけられることが多くて、それに対して違いを説明するのも面倒なので、動物の種類や特徴だけに特化した話題に寄せて相手に合わせることが多い。SNSなどを見ても、動物園の施設を全体的に綺麗に撮影した写真よりも、動物園の施設の人工物を入れずに動物の決定的瞬間をアップで撮った写真のほうが「良い写真」「動物園で写真を撮るのが上手い人」として評価される。
動物園に通っている人がみんな動物ばかり見ているわけではなく動物のアップ写真ばかり撮っているわけでもなく、もっと広く動物園の風景を見たり撮ったりしている人もいる、ということを少しでも知っていただけたら幸いです。