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[2024/05/26] ブログ動物園の歩き方
動物園の歩き方(2)動物が近くに寄って来る方法
 動物園や水族館で動物を見ている時に全員もれなく思うのは、「動物が近くに来て欲しい」「こっちを向いて欲しい」ということだと思います。
 せっかく動物園や水族館に来たのだから、動物を近くでよく見たい。お顔をよく見たい。それは当然の希望でしょう。

 動物園でよく見るのが、家で買っているペットの犬や猫を呼ぶように、動物に向けて「チッチッチッ」って舌を鳴らす行為。外国からの観光客の人はそれにプラスして指を擦り合わせながら見せるような行為もよく見ます。
 でもそれで動物が近寄ってくるのを見たことありません。全くありません。全く無駄な行為です。
 家で買っているペットの犬や猫なら、その音に気付いて近寄っていけば撫でて貰えたり食べ物を貰えたり何かしら良いことがあるかもしれない、ということを学習しているから近寄ってくるのだと思います。また、野生の動物なら、何の音だろう?という興味で近寄ってくるのかもしれません。
 でも、動物園の動物は、その音は檻の向こうにいる生き物(人間)が出している音だということを知っていて、そこに近寄っても何も無いということを学習しています。だから「チッチッチッ」って舌を鳴らしてもそんな人にわざわざ近寄らずに無視します。

 そんなに頻繁ではないですが、柵やガラス窓を叩いて大きな音を立てて注意を引き付けようとする行為も結構よく見かけます。「そういう行為は禁止」だという注意書きが掲示されていても、見てないのか?無視してるのか?分かりませんが、柵やガラス窓を叩く人はいます。
 この行為は完全に逆効果。悪質な嫌がらせ行為。
 動物達にとってはうるさい迷惑な騒音なので、音がした方向を一瞬だけ見るような時はありますが、それから遠ざかっていき完全に背を向けてしまいます。
 大きな音を鳴らして動物が驚いて見てきた瞬間を嬉々としてカメラで撮るような人がいますが、僕は心の底から軽蔑しています。そいつの耳元で大きな音を爆発させて鼓膜を破ってやろううかと思います。

 動物に付けられてる個別の名前を呼んだり、手振り身振りで注意を惹いたり、そういう人も結構います。この行為は、動物を見ているだけの人より、カメラで撮っている人に多いような気がします。
 そして、動物が振り向いて見てきたり何らかのリアクションをしたら、その瞬間に写真を撮る。そういう行為が動物の写真を撮るテクニックだと思ってる人もいたりしてタチが悪い。
 手振り身振りで動物の注意を惹く行為については、動物園によっては「動物のストレスになるので禁止」と注意書きを掲示しているところもあり、明確にルール違反です。注意書きを掲示していない動物園もありますが、禁止にしてる動物園があるのだから、どこの動物園でも好ましくない行為だと思います。
 動物の名前を呼ぶことを禁止する注意書きは見たことありません。でも、動物に何かをしてあげるわけでもなく、自分が写真を撮りたいという自分の目的だけの為に名前を呼んで振り向かせる行為は、僕は嫌いです。禁止されてはいないのでやりたい人は自由にすればいいですが、僕は絶対にやりません。

 あとは、小さい子が大声で「ライオンさーん!」「起きてー!」「こっち向いてー!」などと呼びかける行為もたまに見かけます。
 ほとんどの場合、小さな子が自発的に行うのではなく、付き添ってる大人がやらせています。親だったり、祖父母だったり、保育園の保育士だったり、幼稚園の先生だったり、そういう人達。
 小さな子のそういう様子を「可愛い」と思って反応するのは人間だけで、動物達はそれを「可愛い」と思わないでしょう。動物達にとっては小さい子の声もうるさい騒音なので、むしろ遠ざかっていきます。
 大人達が本当に小さな子に動物を見せたいと思っているなら、そういう行為は辞めるできです。
 でも、そういうことをやらせている大人達は動物を見せたいと思っていなくて「動物に呼びかける可愛い子」を見たいだけなんだろうなぁ。だからきっと辞めないだろうなぁ。

 動物園に行く人は数ヶ月に一度とか数年に一度とかだから、「こんなことやったら動物が興味を持って近寄ってきてくれるかも?」なんて思うかもしれない。だけど、動物のほうは毎日毎日一日中ずっと同じようなことをされてる。興味を持つわけがない。

 動物園で動物が近寄ってきてくれる方法として、僕が今までの経験から気づいて、自分で実際にやっていることがあります。

 それは、「何もしない」です。

 消極的な意味ではありません。消極的に「何をしても意味がないから何もしない」のではなく、積極的に「動物に近寄ってきて貰う為にわざと何もしない」のです。

 しばらく何もせず、動かず、気配を消す。
 風景と完全に同化して存在を消すことが理想ですが、生き物の気配を察する能力は動物のほうが何枚も上でしょうから、きっと無理でしょう。
 でもせめて、私はあなたの敵ではない、攻撃する意思はない、ということを分かって貰えるように、しばらく何もせずに静かにする。

 しばらく何もしないで静かにしていると、動物はこちらのことを意識せずに自由に動くようになって、こちらにも近寄ってきます。他のお客さんが来たりしても、うるさいお客さんからの避難場所として、こちらに来てくれるようになります。
 そうなったら後は好きなだけ見放題。

 可能ならば、写真を撮る時もシャッター音が鳴らないようにして出来るだけ無音にすると更に良し。必ずシャッター音が鳴ってしまう場合は、写真ではなくて動画で撮って、静止画(写真)が欲しい時は動画からキャプチャ(スクショ)を保存する。

 動物園で動物が近くにいなくても、すぐにこっちへ来させようとしない。
 動物園の動物は、ペットではない。動物の興味を惹こうとする行為は全く何も通用しない。何かをする行為は全て逆効果。
 何もしないで静かにする。余裕を持って「急がば回れ」の精神で。そうすれば動物は近寄ってきてくれます。
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