銀野舎
銀野舎ブログ北海道の動物園・水族館2022年11月初旬 旭川市 旭山動物園
[2022/11/02] ブログ北海道の動物園・水族館
2022年11月初旬 旭川市 旭山動物園
 約5ヶ月ぶりの旭山動物園でした! 夏期営業期間に間に合った!
 6月から入院していて、退院してすぐ2日後でしたので、父が運転する車に乗せて貰って両親が付き添ってきました。僕が旭山動物園に行くのは5ヶ月ぶりでしたが、両親と一緒に行くのは数十年ぶりだと思います。

 僕は杖を使って歩いているので、父は気を使ってくれたのでしょうが、動物が近い西門の駐車場に入りました。午前10時。僕としては開園時間に正門から入って、モニュメントの前で写真を撮って、「ととりの森」をゆっくり歩きながら気持ちを高めていきたかったのですが、今はそんな我がままも言えないので我慢。
 西門から入って杖で歩いているとスタッフさんから「電動カートをお貸ししましょうか」と声を掛けられました。電動カートなんてあるのね。知らなかった。僕は歩きたいのでご遠慮しました。


 西門から入って少し歩くと、きりん舎。キリンのあさひくんが出迎えてくれました。入院中も動物園の公式サイトやSNSなどを見ていて、あさひくんのことは気になっていたので、久々に旭山動物園に来て最初に会えたのがあさひくんで嬉しかった。僕のほうに近づいてきてくれてじっとこちらを見て、「おや?久しぶりだね」なんて言われたような気分になりました。それから少しして歩いていったあさひくんに付いていくように歩いていくと、ゲンキ父さんがいました。キリン舎の周りは坂になっていて、僕にとってはいきなりの試練。杖を使っている僕には歩きづらい場所のはずなのですが、あさひくんとゲンキ父さんに会えた嬉しさが勝って、グイグイ歩けました。久々に会ったゲンキ父さんは相変わらず大きいなぁ。あさひくんもゲンキ父さんも元気で良かった。


 あさひくんとゲンキ父さんが柵越しではあるけど近づいてお互いに顔を寄せ合ってスリスリし始めました。偶然に顔が近づいたのではなく、5分くらいの間、明らかに意図的に何度も顔を寄せ合っていました。

僕は北海道内の各地の動物園に何年も何十回も通っていますが、キリンのお父さんと子供がこんなに積極的にスキンシップを取っているのを初めて見ました。この瞬間だけを見ると微笑ましい光景なのですが、一ヶ月前にお母さんの結さんが亡くなったことを考えると、この光景の意味が違って見えてきます。結さんがいなくなったことを実感しました。


 次は隣に移動して、かば館。屋外で寝ている大きな背中。百吉さんですね。久しぶりに会えた百吉さんは背中ごしでした。でも背中だけも分かる圧倒的な存在感と愛くるしさ。
 屋内に入ると旭子さんと凪子ちゃんがのんびりとくつろいでいました。その様子をしばらく眺めてから、かば館のエレベーターを初めて利用して地階に降りました。エレベーターからもプールの中が見えるんですね。
 地階に降りると、大勢のお客さんがプールの窓から中を見て盛り上がっています。ちょうどタイミング良くカバの親子がプールに潜り始めたようです。急いで一番大きな窓まで周り込みました。プールの中を軽快に走り回ってる旭子さん。縦横無尽に飛び回ってる凪子ちゃん。たまにぶつかっちゃう凪子ちゃんと旭子さん。凪子ちゃんまた大きくなったなぁ。すくすく育ってね。


 かば館を出たところにヤマアラシがいました。情報を追えていなくて「ん?君は誰?どこから来たの?」という感じになってしまいました。食べ物をしっかりと両手で持ってガジガジと食べているのが可愛い。
 ダチョウの所まで回り込むと、ちょうどタイミングが合わずダチョウは屋内に入っていってしまい会えませんでした。掲示されていた案内を見ると、子供が産まれたんですね。次の機会には子供達にも会えたらいいなぁ。

 キリン舎の前にあるベンチに座って休憩してから、ちょっと歩いて坂を上がると、あざらし館。久しぶりのあざらし館が嬉しくて看板の前で記念写真を撮りました。
 館内に入ると、目の前に壁一面の大きな窓。プールの中をスイスイ泳いでいるアザラシ達。あざらし館といえば、この大きな窓ですよ。有名なのは館内の中央にある「マリンウェイ」ですが、あざらし館のイメージといえば、僕はやっぱりこの大きな窓です。太陽の光が水の中まで差してキラキラ輝いている中をのんびりと優雅に泳いでいるアザラシ。とても気持ち良さそう。旭山動物園のあざらし館に頻繁に通っていると、アザラシが泳いでくるコースも窓の手前でターンするポイントもいつもだいたい同じなことに気付きます。僕はそれを踏まえて自分が一番見やすて好きなポジションに立って写真を撮りながらアザラシを観察します。


 大きな窓でアザラシを観察していると、後ろのほうで歓声があがりました。アザラシがマリンウェイを通ったようです。僕もマリンウェイのほうに移動します。少し待っていると、またアザラシが通ってくれました。またお客さんから歓声があがります。十数秒くらいの間隔でアザラシが上に下にどんどん通っていきます。アザラシはマリンウェイを通らない時は全然通らないのですが、通り始めると何頭も連続で通って行くようになります。フィーバータイムが始まったようです。何だかんだ言ってもマリンウェイを通るアザラシはいいですねぇ。テンションが上がります。


 しばらくしてフィーバータイムが終わったっぽい雰囲気を察して、あざらし館を出ることに。エレーベーターで上がるとちょうど正面にガチャガチャが。可愛いアザラシを見てテンション上がっているので、ここのガチャガチャはいつもついついやってしまう。これが罠だと分かっているのについつい引っ掛かってしまう高性能トラップ。

 あざらし館を出たら、すぐお隣のほっきょくぐま館へ。
 入口の手前にある大きな窓から様子を伺うと、ホッキョクグマの親子は奥のほうの出入口の前の辺りにいました。館内に入って見てみると、身体がちょこっとギリギリ見切れるくらいの微妙な位置。こっちのほうに近づいてくれないかな、と思って見続けていたら、ゆめちゃんが顔を出してくれました。高いところからお客さんを見下ろしていました。ちょっと高飛車なゆめちゃんも可愛い。


 あの位置にいるなら階段で二階に上がった場所が見やすいはず。今までなら走らないギリギリ早歩きで階段を急いで上がって移動するのですが、それができなくなってしまったので、エレベーターを探す。少し歩きながら周りを見渡すと、エレベーターの案内板を見つけたので、その案内の矢印のほうに歩いていくけど、エレベーターが全然ない。でも案内の矢印はちょこちょこ出てるので間違いではないのだろうを思いそのまま歩いていくと、ホッキョクグマの観覧場所の裏までグルッと回ってきて、ようやくエレベーターに到着。足が不自由だからエレベーターを使いたいのに、この遠回りはなかなか厳しい。
 ただ、エレベーターに乗って二階に上がると階段を上がったのと同じ所に出て、ちょうどまさに行きたい場所に着いたので、「遠回りも仕方ないか・・・」なんて気持ちになったりして。そこの窓から見ると、目の前にホッキョクグマがいる。やはり予想通り。ここがベストポジション。ピリカさんは相変わらず綺麗だなぁ。なんて思いながら写真を撮っていて気付きましたが、ゆめちゃんがいない。さっきはここに親子揃っていたのに、ゆめちゃんが移動しちゃってる。やっぱりエレベーターに乗るのに遠回りしたせいだ。くそう、遠回りめ。


 見回してみると、ゆめちゃんは反対側の向こうの方に移動して、水際で遊んでる。入口の手前にある大きな窓が一番近い。今度は降りなければならない。ほっきょくぐま館の中は一方通行なのでエレベーターで下に降りても入口からは出られない。色んなルートを考えて悩んで、ここは覚悟をきめて外の螺旋階段をゆっくり降りることに。
 一歩ずつゆっくり慎重に降りて、入口の手前にある大きな窓を辿り着く。やっと着いてワクワクしながら見たけど、ゆめちゃんがいない。ゆめちゃんは水際で遊ぶのを辞めて陸地の奥のほうの壁際で寝込んでゴロゴロしてました。そのまましばらく待ちましたが、ゆめちゃんはずっとゴロゴロし続けていてアグレッシブには動かなそう。ゆめちゃんの可愛い寝姿を目に焼き付けてからその場を離れました。本日はゆめちゃんとはタイミングが合わずすれ違いの連続でした。まあ、こんな日もあります。次回はタイミングが合うといいなぁ。


 ほっきょくぐま館とあざらし館の間にあるベンチに座ってコーヒーを飲みながらしばらく休憩。
 次はレッサーパンダ舎かもうじゅう館かどちらに行こうか少し悩みましたが、結局、通路を挟んでほぼ向かいにあるもうじゅう館へ。

 アムールトラの兄弟は奥のほうで横になっていたので、遠くから手を振って軽く挨拶だけしてすぐに隣のライオンさん家に。オリト久しぶりだね。元気だったかい。イオちゃんとは仲良くやってるかい。寒くなってきたね。もうすぐ雪が降るよ。そうそう、子供が産まれたんだってね。おめでとう。旭山動物園に越してきた時はまだたてがみが小さい子供だったのに、あのオリトがパパになるなんて、本当に嬉しいよ。・・・とか色々話したいことがあったのですが、オリトはいつもの場所でお昼寝したまま起きず。パパになっても相変わらずのオリト。


 階段を頑張って上がる。以前は思わなかったけど、なかなか急な階段だね。アムールヒョウのみらいに会いに行くと、崖の上、檻のすぐ近くでお昼寝。ユキヒョウのユーリちゃんに会いに行くと、ユーリちゃんもいつもの場所でお昼寝。今度は階段を頑張って降りる。こちらもやっぱりなかなか急な階段。お昼寝してるユーリちゃんを下から見上げて、一緒に来ていた親に頼んでユーリちゃんの下で記念撮影。
 オリトもユーリもみらいもお昼寝してたけど、以前と変わらないいつもの場所でお昼寝してたのが、ものすごく嬉しかった。何年も何十回も見てきた見慣れた光景で、いつも通っていた旭山動物園に帰ってきたことを実感。


 もうじゅう館を一周して広い通路に出ると、レッサーパンダ舎の前に人がたくさん集まって歓声が上がったりしている。これは何かおきているに違いない、と思って今出来る限りの全速力でレッサーパンダ舎に行ってみる。レッサーパンダちゃん達がご飯を食べていました。可愛い。
 ずっと見ていると、柱を登ったり降りたりしているレッサーパンダがいて、吊り橋に登って渡りそうな雰囲気を感じました。吊り橋を渡りそうなレッサーパンダを撮影したい時は、レッサーパンダ舎から少し離れます。そのほうが全体を見渡せるし、吊り橋を渡っているレッサーパンダをカメラの真ん中で撮れます。


 食べているレッサーパンダも吊り橋を渡るレッサーパンダも見れて、レッサーパンダの可愛さを充分に堪能したので、隣に移動。レッサーパンダの隣はマヌルネコ舎。でも、見ている人達がマヌルネコ舎の中を見渡して探しているっぽい。「ここには何もいないね~」なんて話している人もいる。いやいや、いないわけないでしょ。可愛いマヌルネコのグルーシャさんがいるはずです。そう思いながら僕もマヌルネコ舎の中を見てみるけど、グルーシャさんが見つからない。いやいや、そんなわけない、と思い端から端までよく探してみると、立てられている丸太の上に真ん丸い物体があり、よく見るとフワフワの毛玉に見える。それがグルーシャさんでした。マヌルネコのグルーシャさんは後ろを向いていて巨大な毛玉になっていました。これは分からない。

 ここから先に行こうか悩んだのですが、ここからはずっと坂が続いていて登って行かなけばならないので、ここから先に行くのは断念。
 下に降りてぺんぎん館へ行くことに。でも、ぺんぎん館へ行く坂道も階段も急で降りるのが大変そう。でもここにはエレベーターがあることを思い出しました。ここのエレベーターを初めて使いました。
 エレベーターを降りると、まだそこはぺんぎん館の上で、やっぱり急な階段を降りなければなりませんでした。早くペンギンに会いたい気持ちを抑えて、ゆっくり慎重に降りる。

 ぺんぎん館の前には大きな人だかりができています。ペンギンはいつも大人気。
でも僕はペンギンが集まっている正面よりも、プールの水越しに見るのが好きなので、人だかりからは離れて少し遠い所からのんびりと観察。そのほうが景色に奥行きがあって好きなんです。ぺんぎん達は気ままにのんびりと過ごしています。
 泳いでいるペンギンはいなかったので、ぺんぎん館の中の水中トンネルには行きませんでした。次の機会には泳いでいるペンギン達を水中トンネルから見れたらいいなぁ。


 さて、本日の旭山動物園はこれで終わり。午後0時半。まだまだ周りたい場所も会いたい動物達もたくさんいるけど、正直なところ、かなり疲れました。退院してすぐなので無理は出来ない。滞在時間2時間半。僕にしてはめちゃめちゃ短い。でもまず初回はこれくらいかな。次の機会の時はもっと周れるように体力をつけよう。

 帰る前にととりの森の向かいにある売店に1人で行くことにしました。その売店にあるものがどうしても欲しかったんです。入院する直前の初夏に旭山動物園に来た時に買おうか迷ったものがあって、帰宅してからも忘れられなかったので、次に旭山動物園へ来たら買おうと思っていました。その時にはほんの数日後か長くても数週間後のつもりだったのですが、それが5ヶ月後になってしまいました。売店に行く途中に階段があるのは分かっていましたが、その階段が自分の記憶よりも物凄く長かった。
 ようやく売店に着き、お目当てのものがあるはずの場所に直行。もしかしたらもう売り切れや商品入替などでもう無くなってるかも?と心配したのですが、まだ販売されていて良かった。買ったのは、立つユキヒョウのぬいぐるみ。以前は単純に立っているユキヒョウの姿が可愛いと思っただけだったのですが、自分が杖で歩くようになった今では立っているユキヒョウがお守りのように思えるしユキヒョウに励まされているようにも思えます。
 ちなみに、ユキヒョウは本当に立ちます。本当です。


 ここの売店からだと西門より正門のほうが近いと思い、正門に向かって歩きました。
 正門までもう少しのところに、またしても階段が。最後の力を振り絞って階段を上がる。頑張って階段を上がり切ったところで力尽き、正門まであとほんの僅かなんだけど、ベンチで休憩。体力が少し回復してから、正門を通って退園。と
 父の車はここにはないので、僕は正門から道路まで出て迎えに来てきてるのを待っている予定だったのですが、疲れ切って限界寸前だったので、そこにいたスタッフさんに声を掛けて、杖を使って歩ていること、迎えの車が来ること、その車の色とナンバー、などを伝えると駐車場の警備員さんにも話を通してくれて、正門前まで車が入って来れるように許可してくれました。そして僕が車に乗り込んで帰る時には、スタッフさんは「また来てくださいね~」と手を振りながら見送ってくれました。
 5ヶ月ぶりの旭山動物園の最後を締めてくれたのは、スタッフさんの笑顔でした。
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